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読書

ジョージ・フリードマン 新100年予測


        100年後世界はどうなっているのだろうかと思い、読んでいましたが、そのような予測は一つも無く、大航海時代から現在までの歴史を解説するだけで、期待を大いにはずされました。このタイトルは日本の出版社がつけたものらしく、「
Flashpoints The emerging Crisis in Europe」(引火点、ヨーロッパ危機の発生)ということで、この本が出版された2015年から100年先のことを予測している本ではありません。

ジョージ・フリードマンの父親はハンガリーで印刷業をしていたユダヤ人です。ヨーロッパのユダヤ人はどこにいても迫害される人種です。ドイツのナチスとソ連の赤軍から追い立てられるように、アメリカに亡命しています。ジョージ・フリードマンがまだ赤子の時であり、4歳の姉と母親と父親と一緒に命からがらアメリカに亡命しています。亡命できなかった彼の親戚はほとんどアウシュビッツで殺されています。彼の父親の判断が正しかったことがわかります。

第二次世界大戦でヨーロッパでは5500万にも死に、スターリン政権下、餓死や粛清で2000万人も死んでいます。とんでもない文明諸国です。

冷戦が終わると、ユーゴスラビアに象徴されるように、民族同士が狭い地域で殺し合いをはじめます。とくにヨーロッパの東部では、民族が入り組み、それに伴って宗教も違ってきます。おまけに何百年前から、殺したり殺されたりした経験があり、それが怨念として記憶されています。ソ連に力がなくなると、こうした怨念が一気に噴出すのです。それを考えてみると、日本はほとんど単一民族であり、たとえ戦いがあってもほどほどで収めてしまいます。徹底的に根絶やしすることはありません。大陸国家中国のように、一族郎党一家殲滅とはなりません。最近労働力不足で他国から労働者を入れようとしていますが、ドイツでは異民族のトラブルが起こり、スーエデンは難民受け入れに反対する党が政権をとったように、日本も後々のことを考え、慎重にことをすすめなければなりません。

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