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スティーブン・ピンカー 暴力の人類史 上

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スティーブン・ピンカー 暴力の人類史 上


       結論。紀元前5000年から今日まで、人類の暴力性は確実に薄まってきたということです。考古学の人骨の発見からは往々にして矢じりが刺さった跡や、頭蓋骨が陥没させられた跡が残っています。狩猟採集時代、猟をする以外にも人間同士の殺し合いも並行してあったということになります。アルプスで見つかったアイスマンだって弓矢が刺さった状態で冷凍保存されていました。チンパンジーも集団ごとで戦争するように、人間も激しく争ったのでしょう。この20世紀、第一次、第二次世界大戦があり、1500万人、5500万人も死んでいるのに、人類の暴力性は薄まったとは思えないと反論する人がいるかもしれません。スティーブン・ピンカーは一枚の表を載せています。事件の起こった当時の世界の人口と、その事件の死者数を対比して、比べなおしたのです。すると一番は「安史の乱」で、3600万人が死んでいます。現在の人口比に換算すると、4億2900万人です。2番目はモンゴル帝国の征服で、4000万人が死に、換算すると2億7800万人死んだことになります。第二次世界大戦は9番目、第一次世界大戦は16番目になります。第二次世界大戦が終わった1945年以降、大規模な戦争もなく、死者も極端に少なくなっています。死刑も現在では極端に少なくなっています。文明国では死刑はなくなっています。イエスの磔から今日まで、「軽微な犯罪」で死刑になった人は1900万人と推計した学者もいます。いづれにしても、いろいろな統計から安易に人を殺すことが現在に近づくにつれてなくなってきたということがわかるということです。西洋の料理ではナイフとフォークを使いますが、ナイフを鋭利でなくかつ切れないように加工したら殺人が大幅に減ったということも書いています。

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