忍者ブログ

読書

スティーブン・ピンカー 21世紀の啓蒙 下

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

スティーブン・ピンカー 21世紀の啓蒙 下


この本の結論。宗教とかイデオロギーはバイアスそのものであり、一方では宗教裁判、いっぽうでは粛清が起こります。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教を見てもわかるように、宗教の違いから争いが絶えません。ナチ政権、スターリンを見てわかるように何千万人と人が殺されています。上巻では、統計グラフを多く提示して、第二次世界大戦以降、犯罪も減り、殺人も減り、飢餓や栄養失調も少なくなり、識字率も上がり、人類は幸せになっているということを示しています。要するに「エビデンス」=事実を詳細に取り上げ、その説明の裏付けをしているのです。つまり、15,6世紀から始まった科学が人々の蒙昧さを解放したということによるのです。科学もバイアスではないかという人もいますが、科学の考え方は、これら「エビデンス」があっているかどうかで暫定的に真実だと言っているのであって、もし違うエビデンスがあるなら、躊躇なく改変する柔軟さがあります。宗教なイデオロギーの頑迷さとひどく違うものです。科学には理性があり、人間はよく間違うものだと知っており、それ故にエビデンス=事実を精査し、地味ながら事実を積み上げ、何と宇宙の開闢から138億年もたっているということまでわかるようになりました。これも今のところの真理であり、もっと科学が進むとこれも変わるかもしれません。スティーブン・ピンカーは科学だけのことを言っているのではなく、科学的思考法、事実に即して物事を判断することが大切だと言っているのです。そのためには理性が必要であり、自由な考え方ができるヒューマニズムの体制も必要だと言っているのです。

PR

コメント

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

カテゴリー

P R