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セネカ 人生の短さについて

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セネカ 人生の短さについて


        キリストが生まれた時より1年前に生まれたセネカは、幼少の時のネロの先生でしたが、最後にはネロによって自死することを命じられ、自分の血管を切り死にます。セネカは哲学者になりたかったのですが、父親の意向で父親から弁論術を学び、政治家になりました。カリグラ帝では処刑されそうになったり、クラウディウス帝ではその妃のメッサリナの進言により、コルシカ島に島流しされたりします。その後クラウディウス帝が妃のメッサリナを処刑し、ネロの母親であるアグリッピナと結婚し、このアグリッピナがセネカを呼び戻し、ネロの先生役にさせました。上がり下がりが大幅になった人生を過ごしたと言うことになります。

「先延ばしは、人生の最大な損失なのだ。先延ばしは、次から次に、日々を奪い去っていく。それは、未来を担保にして、今このときを奪い取るのだ。生きるうえでの最大の障害は期待である。期待は明日にすがりつき、今日を滅ばすからだ。」(人生の短さについて)

要するに宝くじが当たらないかなと思って生きているようでは、「人生の最良の日は、真っ先に逃げていく」ということになります。大方の長生きしたものは、「長く生きた証として、自分の年齢しか示せない」ことになっているようです。

母への手紙では、当時ローマの馬鹿げた贅沢を書いています。セネカを殺そうとしたカリグラ帝が一日の晩餐に「属州三つ分もの税金」を使ったと言っています。また料理本で有名になった貴族が、庶民なら大金持ちだと思われるほどの、残り資産があるにもかかわらず、これでは贅沢な料理ができなくなると思って自殺したということも記しています。

当時のローマは人口密集地で、建物は上へ上へと伸び、よく崩れ落ちたりしていました。今と違って一階や二階など低い場所は金持ちが住み、高ければ高いほど貧乏人が住んでいたということです。水など運ぶのが大変だからです。80万人も住んでいた推察されています。それだから事件や事故も多かったのでしょう。

「だからわれわれは、何事も軽く見るようにし、心楽にして、ものごとに耐えるべきなのである。人生を嘆き悲しむより、笑い飛ばしたほうが人間的なのだ」

それ以上に哲学的な生き方はこうなります。

「だが、笑うよりも、いっそう好ましい方法がある。それは、社会的な風習や人々の欠点を静かに受け入れ、笑いにも涙にも、とらわれないようにすることだ。」

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