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ソンヒョン 慵斎叢話

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ソンヒョン 慵斎叢話


    ソンヒョン(成ヒョン、人偏に見がくっついた漢字、変換できません)1439~1504。文官科挙に受かり、儒学者。穏やかに死んで埋葬されたが、その後暴君の燕山君によって墓をあばかれ、死体を切り刻まれたそうです。異常性格者の燕山君は生前のソンヒョンから諫言を受けていたので、それを思い出し腹が立ち、そのようなことをしたのでしょう。1506年には燕山君は流刑になりそこで殺されています。

李朝廷では武官より文官のほうが地位が高く、科挙で一位や二位になると高い地位が約束されます。日本のように鎌倉以降武士が歴史を引っ張ってきたと違って、李氏朝鮮では科挙に受かった儒学者が政治に関わります。日本では相手の大将の首を取ることが手柄になりますが、李氏朝鮮では教養の高さで相手をやりこめ、王様の御贔屓を受けるということになっています。自然と孔子の文句を散りばね、おしゃべりがうまく、かつ辛らつな表現もできるという人が勢力を保って行けるという状態になります。だから李朝廷は姑や小姑が多くいる家庭のように、蜂の巣をつついた喧しさになります。だらだらと不毛な議論を続けるばかりになります。このようなことを5世紀までも続けて、19世紀になったとき、戦争はからっきし弱いが、悪態だけはどこの国よりも発展したということになりました。朝鮮合併した後、この悪態は日本一国に集中されることになります。「お前の母さんでべそ」くらいしか悪態が言えない日本人にとって、この悪態の洪水に言い返すことができなく、思わずポカリと殴ったりしましたが、それにもましてもっと多くの悪態が流れてきます。第二次世界大戦で日本が負けたとき、日本にいた朝鮮人が騒ぎましたが、これと同じことが朝鮮でも起こっています。ソンヒョンの祖父が警告していたのですが、朝鮮で日本人町を作らせてほしいという要望があったので許可したところ、日本人が増えてきてやがて暴動を起こしたということです。お互い様ということです。

韓国ドラマ「チャングム」の何巻ものビデオは、この慵斎叢話の数行からのヒントで出来上がったものです。21の「女医の技術」からです。ソンヒョンもこの女医にかかり、虫歯を抜いてもらいました。「銀色の匙のようなもので小さくて白い虫を引き抜くのである」と書いてあり、神経をとっていたのでしょう。済州島の出身です。たった数行の記載から何巻ほどのドラマを作っていくという能力は誇大妄想とはいえ、悪態と同様に数百年にわたる李氏朝鮮の朝廷での不毛な議論によるところから出てくるのでありましょう。

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