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タイラー・コーエン 大格差

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タイラー・コーエン 大格差


    まるでチェスの本を読んでいるような気になります。なにしろ著者は「15歳で史上最年少のニュージャージーのチェスチャンピオン」という経歴の持ち主です。

この前、将棋ソフトPonanzaを作った山本一成は、記者会見で将棋のプログラミングの研究は他に役に立つのかと聞かれて、何もないと答えていました。将棋だけに特化したもので、将棋以外に何も役立たないと堂々と述べていました。しかしタイラー・コーエンはこのゲームソフトをこなすことは大富豪になる要因であると断言しています。

「チェスは人工知能のショウジョバエである」

ショウジョバエから遺伝子研究が発展したように、チェスプログラムの開発は人工知能の発展の度合いを示すものとされています。チェスの世界ではもはやソフトに勝てる人間はいません。いまではチェスの試合ではパソコンを持ち込み、チェスソフトと人間が協力して勝負しています。これを「フリースタイル・チェス」と呼んでいますが、何もチェスの高段者がいつも勝つとはいえません。棋力がなくても、ソフトが打ち出す情報をいかにうまく処理する技術に長けた人のほうが優勝するのです。

いまやチェスソフトはいかに人間が間違えやすいかを示しています。将棋ソフトでも一手一手その指しての評価を評価する機能があります。たとえ高段者でもソフトが推奨する手と違った手を指すと必ず不利になっています。ミスで人間は自滅するのです。我々低段者から見ると神にも見えるプロ棋士も強いソフトにかかればアホに見えてきます。

「チェスプレーヤーに関する研究は認知科学研究の未来を先取りするものといえる。偉い機械の普及が進めば、チェス以外の分野でも信頼性のあるデーターを収集し、分析できるようになるだろう。チェスプレーヤーの意思決定に関する研究にみてとれるように、機械の知能は人間の性質に関する科学研究に、ひいては経済成長に大きく貢献できるのだ」

いまから金持の潮流はコンピューターが打ち出す結果を「解釈」したり、コンピューターが読み取れるように「データーを変換」できる能力のある人たちになっていくそうです。

「これからやってくるのは、天才的なマシンの時代だ。そういうマシンと一緒に働ける人が豊かになる。社会は大きく二つにわかれることになる。テクノロジーに牽引された活力ある産業ではたらき、目を見張る成功を収める人たちと、それ以外のすべてのひとたちに。平均は終わったのである」

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