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読書

ダニエル・ヤーギン ジョゼフ・スタニスロー 市場対国家 上


        ケインズの経済学がはやった頃、国家が財政投資して、景気を浮揚させる手法がとられました。ルーズベルトのニューディール政策でした。またソ連の五ヵ年計画などで、共産国が資本主義国よりも合理的に経済を運営できるのではないかと思われていました。ケインズよりももっと国家が指導すれば経済成長もでき、豊かになると、スターリンが生きていた頃は全世界がそう思っていました。日本でも、在日朝鮮人たちが、北朝鮮を理想の国と思い、熱烈な思いで、北朝鮮に帰っていった時期もありました。イギリスでも第二次世界大戦が終わり、チャーチルが選挙に勝ってまた首相になるかと思われましたが、労働党が政権を握り、その当時の共産党ブームで大企業を国有化します。ところが国有化された途端に労働者は働かなくなり、赤字が累積し始めます。どこの国でも「親方日の丸」になると、楽をしたりサボったりする人間が増えてきます。ソ連もそう、中国もそう、イギリスもそうでした。イギリスではサーチャーがでてきて、これらの企業を一掃し、民間に売ってしまいます。そこでやっと競争できる企業が育ったことになりました。ソ連などは自国の崩壊を巧妙に隠していましたが、ゴルバチョフに時代には隠しきれなく、あえなくダウンしてしまいます。

その点日本では通産省が貿易に特化して、企業を育てていきます。あっという間に敗戦国の日本が高度成長をとげ、経済の勝利者になります。ところが浮かれきって、バブルをむかえ、不動産投資というギャンブルに手を出します。成金だから金の使い方がわからなかったのでしょう。とうとうそれまで持ち上げられてきた官僚たちは、ここに至って、彼らがいるから日本は発展しないのだといわれる始末です。でも日本は東南アジア、韓国、台湾、中国のいい見本になっています。欧米の植民地になっていたこれらの国々が日本を手本にし、国を築いています。今では中国は日本を抜いています。鄧小平の開放路線が功を奏しました。農民からして儲けることができるようにすると、生産高は何倍も上がり、世界から企業を誘致し、それらの技術を盗んでいきます。パリで鄧小平が留学いていた頃、鄧小平は豆腐のうまい食堂を経営していて、儲けることを知っていました。

「市場対国家」というタイトルですが、国家は市場を完全に支配することはできなし、そうかといって昨今の行過ぎたグローバリズムも少しは歯止めをきかさないと、世界は滅茶苦茶になるのではないかという心配も起こってきます。

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