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テオプラストスは浩瀚な書物を書いたが、残ったのはこの小編の「人さまざま」です。アリストテレスと同学の士で、後にアリストテレスの学校の校長を引き継いでします。テオプラストスの名はアリストテレスがつけたもので、神のように明確に話すという意味があります。プラントンも死んで間もないことであり、アレキサンダー大王が活躍していた時代です。
この時代でも変質者はいたようです。
「淑女に出会うと、自分の外衣をまくしあげて、隠しどころを見せびらかす」(11:いやがらせ)
解説によると、当時でも美人コンテストがあり、それに対してテオプラストスはこう言っています。
「生まれつきの偶然にのみ依存する美しさなどは、名誉に値するものではない。思慮分別が加わってこそ、美はよきものとなる。さもなくば、放埓へ導く危険物だ」
彼は一生独身であったそうで、「愛は無為閑居の魂の病」と言って、異性と付き合うことによる「浮世の煩事」に患わせられることを嫌ったのでしょう。
この「人さまざま」は身内に読まれるために楽しんで書いたということで、これが唯一後世に残ったということは、やはり読まれるものはその中にその人の人なりがよく現れているのが何と言っても親しみをもたらすからなのでしょう。