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デイビッド・ウォルトナー・テーブス 排泄物と文明

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デイビッド・ウォルトナー・テーブス 排泄物と文明

 
     「
shit」(くそ)はインド・ヨーロッパ語族では、スキャット、サイエンスと同じ語根「skei」を持つそうです。「あるものを他のものと分けることに関係する」ということで、「失せろ!」(スキャット)、「(種子の)散布」(スキャッターリング)「注意散漫」(スキャッターブレイン)、サイエンスにいたっては、ラテン語のscire(切り分ける)という動詞からきています。Shitscatterscienceもすべて何かから切り分かれたものであるということになります。

韓国時代劇ドラマでは糞尿を病気の治療で飲ませるシーンが時たまあります。ウヘーと思ったりしますが、この本によりますと、糞食は「健康を増進し病気を防ぐ意味を持つ」と書いてあります。その証拠にウサギは糞尿によってたんぱく質と水溶性ビタミンを摂取していると言っています。ネズミもそうであり、糞を食べさせないとビタミンB12とビタミンKの欠乏症になるそうです。私は犬を飼っていましたが、犬も自分の糞を食べていました。日本でも一時尿を飲む健康法がはやりました。中国の皇帝は少女の尿を飲んで若返りを図りました。さすがに糞までは食べようとは思いませんが、清純な少女の尿なら何か効果があるのではないかと思ってしまいます。

中国の食品偽装で下水溝から油を掬い取って、それを精製して商品にしていたのがありまたが、日本では下水汚泥から人工肉を作っています。勿論これは市販されていません。研究のために作ったものです。岡山の研究員・池田満之が作ったもので、「牛肉に似た味」がするということで、研究者たちは食べたのでしょう。糞便中のバクテリアが糞便をたんぱく質や炭水化物や脂肪に作り変えていたのです。やがて食糧危機が訪れるというのですから、我々は糞尿からも食物を生産しないといけなくなるでしょう。また糞尿に植えつけられる蝿のうじ虫も、これ全体がたんぱく質なので、やはりこのうじ虫も加工して食料にすると計画もあります。また山本麻由は牛の糞からバニラエッセンスのバニリンを抽出することに成功しています。このように糞尿は宝の山なのです。水洗トイレで流してしまっては、みすみす財貨を捨てるようなものです。

またパソコンに糞尿を設置して、それを発電に利用する計画もあります。自分の糞があれば電気など電線から引く必要がありません。化石燃料や原子力は不用になるかもしれません。もはや糞尿はゴミではなく資源なのです。糞尿からはプラスティックもできます。

オランダでは700万トンの牛の糞尿をインドに燃料として輸出する計画がありました。しかしヨーロッパでは家畜に抗生物質を注入しているので、インドは耐性菌を恐れてその話はオジャンになりましたが、いまや糞尿は輸出産品として重要な地位を占めているのです。日本は資源があまりない国ですから、1億も人がいるということは、それらが出す糞尿で世界で有数の資源大国になっているというこということで、衰退する日本では唯一この糞尿が起死回生の大本になる可能性があります。

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