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読書

デイヴィット・R・ビガン 人類の祖先はヨーロッパで進化した


     今までの通説では、アフリカで類人猿が進化し、やがてユーラシア大陸に広がってきたということですが、ビガンの言うところ、温暖化でヨーロッパの北のほうまで密林や草原ができてきて、そこで類人猿が進化し、寒冷化に伴って、密林や草原が退縮すると、類人猿の少数がアフリカに戻り、そこからゴリラ、チンパンジー、初期の人類が派生したのではないかという説です。

1250万年前にヨーロッパで類人猿が生まれ、900万年まで生き残っていたという証拠がヨーロッパ各地から出る化石でわかります。その間アフリカでは大型の類人猿の化石は見つかっていません。200万年のブランクを経て、アフリカに人類の祖先になる大型の類人猿が現れたということから、ヨーロッパの寒冷化で極限まで個体数を減らしてきた生き残りが徐々にアフリカで回復してきたのではないかと言っています。

ヨーロッパの寒冷化で草原が増えると、今まで密林で枝から枝へと腕を使って移動してきたものが、草原を歩かないといけないようになり、二足歩行が発達し、それに伴って脳も大きくなったということで、人類の発生には、このヨーロッパの寒冷こそが、類人猿に大変革をもたらしたものだということになります。脳が大きくなったお陰で、産道の関係から、未熟児を生まないと産道を通れないから、生んだ後脳が大きく発展する方式をとりました。そのために子育てに長い時間をかけないといけません。かつてメスは喧嘩の強い犬歯の大きいオスを選んでいましたが、子育てに協力的なオスを選ぶようになり、自然とオスの犬歯は小さくなっていったのです。人類の特徴がこのヨーロッパでの類人猿の特徴を継承していることになり、本のタイトル通り「人類の祖先はヨーロッパで進化した」ということになるのです。

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