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デヴィッド・ギルモア 父と息子のフィルム・クラブ

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デヴィッド・ギルモア 父と息子のフィルム・クラブ


     冒頭でモンテーニュの言葉を引用しています。

「子供たちをいかに育て、いかに教えるか、それこそが人間の知るもっとも切実な難行であるように思われる。教育について私の知るところはその一事に尽きる」

勉強嫌いでもう学校には行きたくないという息子に対して、ギルモアは学校に行かない代わりに週何本かの映画を一緒に見、決してコカインや麻薬に手を出さないことを約束させます。息子が16歳から19歳になるまで、映画による父親の教育が始まったのです。その顛末がこの本で書かれています。同時にこれは映画評論にもなっているし、息子の成長記録にもなっています。息子はインチキ会社に入ったり、皿洗い、コックになったり、音楽にのめりこんだり、恋人とくっ付いたり別れたり、最終的には高卒の資格試験をとって大学生になったところで終わっています。カナダの映画監督デヴィット・クローネンバークとのインタビューで、ギルモアが「子育てはさよならの連続であって、まずおむつに別れを告げ、ついでベビー服に別れを告げ、そして最後には子供自身に別れを告げる。結局子供たちは、青春を親元で過ごしてから去っていくのだ」というと、クローネンバークはこう言ったそうです。

「うん、でも、連中は本当に手の届かないところにさっていくのだろうか?」

ライブ会場に来られるのを拒んでいた息子は最後には父親を招待します。その喧騒のライブ会場の中で、ギルモアは涙がにじみ出たそうです。ビートルズをかけても感動しなかった息子とのギャップに驚きつつも、世代の断絶はあろうとも、父と息子のあいだには何かつながりがあるという確信がもてそうな気分になります。

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