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読書

ニコラス・スパイクマン 地政学 世界政治と米国の戦略


    太平洋戦争中の1942年に出版されています。スパイクマンの結論は、戦争の終結後、勝ち負けはどうであろうとも、とはいってもスパイクマンはアメリカの勝ちを思っているようですが、ドイツと日本を、ハートランドの国ロシアを東西から封じ込める役割を担わせ、そのことによってアメリカは労せずして世界の覇者として君臨できるだろうと言っているのです。ランドパワーのロシアは共産国になっても、その傾向は変化が無く、東では不凍港を目指し、西ではドイツとの緩衝地帯をもうけるために領土を広げようとしています。ソ連を放置するとやがてユーラシア大陸すべてソ連のものになり、アメリカは太平洋と大西洋とをはさんで、東西から挟みつけられて安全が脅かされるという心配をしているのです。地政学と言っても、やはりアメリカファーストということで、いかにアメリカが安全に過ごせるかしか考えていないのです。ロシアばかりだけではありません。スパイクマンはやがて中国も手ごわい敵になると予言しています。現在まさしく中国はランドパワーの国からシーパワーの国になろうとして、南沙諸島の環礁を埋め立てし、滑走路を作り、太平洋に打って出ようとしています。ロシアも崩壊から立ち直り、クリミアに侵攻したり、シリアにてこ入れをし、中東に影響力を及ぼそうとしています。

今日は広島の原爆記念日です。アメリカ政府が、当時、スパイクマンのことをよく理解しておれば、原爆は広島ではなく、ウラジオストックか、カムチャッカ半島に落とし、ソ連に警告すべきだったということになります。そうすれば朝鮮戦争も起こらず、金王朝も三代続くこともなかったかもしれません。

現在地政学的に日本を考えてみると、非常に危うい状態だと思われます。金儲け主義のトランプ大統領のアメリカが内向きになり、その分中国やロシアがのさばりつつあり、日本は第二の元寇に出合うことになるかもしれません。緩衝地帯と思われていた韓国も分大統領では北朝鮮や中国に飲み込まれ、今もそうですがますます日本と敵対的になります。ロシアも北方四島にミサイル基地を作り、日本に標準を定めています。ランドパワーに、日本国民は日本列島から押し出され、やがてボートピープルになるかもしれません。

 

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