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ハインツ・ゴルヴィツアー 黄禍論は何か

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ハインツ・ゴルヴィツアー 黄禍論は何か


    この本の表紙の絵はドイツ皇帝ヴィルムヘルム二世が絵描きに画かせ、各国の首相に贈ったものです。剣や槍や盾を持った西洋人がいて、火災が起こっている丘の向こうでは大仏様がいてアジアの村が焼けているのです。まるで最近のベトナム戦争を想起させます。欧米の植民地主義で苦しめられたアジア人が蜂起する前に、完膚なきほど叩きのめし、二度と反抗できないようにという趣旨の絵なのです。このような黄禍論は間欠的に起こります。ヴィルムヘルム二世の時は日本が清と戦争して勝った時です。三国干渉で、ロシア、フランス。ドイツが中国で得たものを横取りします。日本が西洋をまねて他国に寄生して甘い汁を飲むのは千年早いと言っているのです。ヴィルムヘルム二世はロシアに対し我々は白色人種であり、戦うべき相手は黄色人種であり、ヨーロッパに目を向けないで、アジアに目を向けるようにと言って、ドイツの安全を確保したいという都合のいいことを考えていました。

アメリカでの中国人や日本人に対する排斥は、安い賃金で仕事をするので、白人の仕事がなくなるという恐れからです。現在ヨーロッパやアメリカでは移民が暴動を起こしますが、アジア人はおとなしく結局みんな「おしん」なのです。逆境にじっと耐え忍ぶだけです。日本人は大戦中収容所に隔離されてしまいます。

コロナ禍で再び黄禍論が巻き起こっています。アジア人はとうとう危険なウィルスになりました。どうも黄禍論が起こるということは、西欧人だけでなく、我々アジア人も自分にとってマイナスの原因はすべて他人のせいであるという人類共通の認識にあるのかもしれません。

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