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ハーバード・G・ガットマン 金ピカ時代のアメリカ

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ハーバード・G・ガットマン 金ピカ時代のアメリカ


        19世紀から20世紀初頭までのアメリカの労働事情を書いた本です。19世紀中ごろから後半にかけて大企業になったといっても、その創業者は職工上がりで、自分の努力と工夫で産をなした成金たちです。彼らの性格にはいまだ西部劇時代の荒っぽいものが残っています。だから労働者がストライキをすると、ギャングやピンカートン探偵社からガードマンを雇い、銃をぶっ放したりしています。まだこの時代、街に大工場をもたらした成金たちは、その街にとっては「よそ者」で、街の住人であるストライキをする労働者を街が応援しているということが当時の新聞によく出ています。というわけでこれらの町々を統括する州に対して成金たちは働きかけ、州兵までも呼び出して、ストライキを破ろうとしていました。荒々しい時代です。ストライキ破りに安い賃金の黒人たちを入れようとしたりしています。そのために黒人たちはますます白人労働者から毛嫌いされています。ハーバード・
G・ガットマンはこう結論付けています。

「経済的権力は容易には社会的・政治的権力へと転化しなかったこと、そして、急速な工業化に起因する諸変化は産業資本家に対する反対を惹起し、彼が求め、彼が必要とした地位と権威をあたえなかったということである」

徳川でもそうですが、初代の家康は肖像画を見ても、広域暴力団の親分のようにしか見えませんが、2,3代と続くと、細面の殿様顔になりました。アメリカも同じで、西部の荒くれ男でも、財をうまく継承すると23代で貴族顔になるようです。現に今の日本だって、我々が小学校の写真を見ると、どこか貧乏気味で、盗みでもしそうな油断のならない顔つきをしていましたが、いくら日本が衰えたと言え、今の小学生の顔つきを見ると実にかわいらしく、いいところのお坊ちゃま、お嬢ちゃまに見えてくるから不思議です。

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