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ピーター・テミン なぜ中間層は没落したのか

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ピーター・テミン なぜ中間層は没落したのか


    簡略に言えばアメリカの富裕層=白人層が軍事を除いて、後は小さな政府を望んでいるからです。自分たちの収入から税金を取られるのも嫌だし、支払った税金を怠惰な黒人種やラテン系の貧困者の福祉として与えることを嫌がっているのです。福祉だけではありません。教育、インフラ整備、健康保険、刑務所などへの出費をしたくないという裕福者が多いのです。彼らは選挙のたびに膨大な資金を提供し、彼らの意向に沿うような法律を作らせます。

白人層の中でも富裕層は一握りです。大多数の白人は黒人やラテン系より少しましな生活をしているだけで、実際は貧困者なのです。それが選挙になると大金持ちの唱える、貧乏人切り捨ての政策に賛成の票を投じるのはなぜでしょうか?それはプライドなのです。やせ我慢と言ってもいいでしょう。選挙のたびごとの富裕層の巧妙な宣伝です。「福祉の女王」と言われるように、仕事する気もなく、白人が稼ぐ税金でぬくぬく暮らし、腹いっぱい食べてぶくぶく太る黒人女性を揶揄するテレビコマーシャルです。貧乏人の白人層がこのようなものを見せつけられると、開拓当時のことが思い出されるのでしょう。白人層は「自己責任」でアメリカに入植し、成功するも失敗するも全部自分の力にかかっていると考え、黒人のように奴隷として連れて来られたわけではないということです。ですから今自分が貧乏であるということは自分の力不足で、黒人のように奴隷にされた腹いせに福祉を貪り食うはしたないことはできないと考えているのです。でもこのようなストレス下で貧窮の白人層においては、寿命が短くなり、アル中や、精神疾患が増えてきています。それ以上に白人による銃の乱射事件も多発するのです。

要するにアメリカ富裕層の政治は税金による富の再分割をしないということで、中間層は没落し、貧窮者はますます貧窮になり、唯一富裕者だけが収入が上がっていくという世界になっているのです。もはやこれは民主主義の国家ではなく、寡頭政治になっているとピーター・テミンは言っています。

 

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