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読書

ポール・スタイルズ さよならメリルリンチ


       ポール・スタイルズの友達が彼に送ったメールに、「詩人は銀行家になれるが、銀行家は詩人になれない」とありましたが、スタイルズは金融マンから作家になりました。今は、経歴欄から、「フランク・ロイド・ライト」というマルチメディア資料館のマーケティング担当取締役という、民営なのか、官営なのか、よくわからないようなところで働いているようです。スタイルズ自身も言っていますが、ハーバード大学出身者は好きなところで働くことができるというのが唯一のメリットだということで、たとえ不況時であっても働き場所はあるのでしょう。しかし、国家安全保障局を退職し、金融界に職を求めようとした時、何社も断られています。やっとメリルリンチに就職できたのですが、一年で首を切られています。彼の言い分によると、何ら仕事の指導も無く、アメリカの中小企業を対象にしたエマージング何とやらを開発し、やっとそれが軌道に乗った途端、配置換えをさせられたり、思ったほどボーナスがなかったということで、やる気を失い、解雇の応じたということです。給料が5万ドルで、ボーナスが2万5ドル(1994年)、スタイルズの胸算用ではボーナスは12万ドルと考えていたので、ガックリときたのでしょう。スタイルズの両親は教師をしていました。少ない給料でも家を買い、三人の子供を育てています。スタイルズの父親の言うところ、幸せだと思ったならそれが成功なのだということを考えてみると、スタイルズのニューヨークでのストレスの溜まる生活は、たとえ収入が多くとも幸せと感じられないので、成功ではないということになります。このような考えをまぎらすために、ニューヨークの生活はすべてゲームだと思えばいいと考えたりします。

「毎日の苦労も、何の意味は無い。我々は、このIEMにおける単なるゲームのプレイヤーに過ぎず、社会的にも、倫理的のも何の意味の無いことをやっている。そう、カネを稼ぎ以外は。・・・判断しようとすること、何らかの意味をくみとろうとすることは、ここでは全く無駄なことなのだ」

そうは言っても何十年もゲームばかりやっておられないでしょう。誰しも意味ある生活をしたいものです。

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