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読書

柏井 壽  憂食論


       京都育ちで、京都で歯医者をしていて、飲食や料理や、それに関わる人々の問題点をあれやこれや書いているものです。まず歯医者として、今の親は子供にすぐ飲み込める柔らかいものしか食べさせていないから、(柏井はそれを甘やかしていると言っています)テレビのグルメ番組で、タレントたちが何を食べても「ジューシーでとろけるようだ」と通り一遍のことだけを言うようになってしまっていると嘆いています。だからこれらの人々は、クズ肉を接着剤でつなぎ、牛脂を混ぜ込んだ肉を最高に美味いと言ったりしているのだということです。京都の老舗であっても、皿の前と後ろを理解していないことが、この店の、インターネットでの紹介で、皿の置き方でわかると書いています。若い料理人が出てきて、「京風」も変化しているのでしょう。また行列のできる店に並ぶお客さんたちについて、柏井はこう言っています。

「仮にこの店の、うどんが傑出して旨いとしよう。それでも京都人は長い列についてまで食べようとはしない。食べるために並ぶこと自体を良しとしない。もう少し言葉を足すなら、客を並ばせる店を認めていない、とも言える。京都人は、食べるために並ぶことを、「さもしい」と捉える。そこに並んでいる自分がイヤなのだ」

私の店は行列ができたことがありませんが、やっかみ半分もありますが、並んでまで食べたいというのは、何だか「卑しい」と思われます。そうまでして旨いものを食いたいのかと考えると、私の店にはそうまでして食いたい旨いものが無いということで、少しばかり反省もしないといけないようです。

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