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読書

マッテオ・モッテルリーニ 経済は感情で動く


      副題に「はじめての行動経済学」とあるように、行動経済学の解説本です。人間がいかに理性を使わないで経済活動をしていることを示している、おなじみの各種実験を紹介し、それが最新の「神経経済学」まで及んでいます。最終的に孔子を引用し、人間の不遜をたしなめています。

「知らざるを知らずとなす。これ知るなり」

アメリカでも日本でも株が大幅に下がったり、上がったりしています。株の専門であるトレーダーが選んだ株と、気まぐれにダーツで選んだ会社の株を比較したところ、ダーツで選んだ会社の株のほうが成績がよかったという実験もあります。2018年の初めには今年の株は3万円まで上がるだろうと予想していた経済評論家がいました。ところが今2万円のとことでモタモタしています。当たる占い師も少ないけど、当たる経済学者はもっと少ないことでしょう。世の中乱数表だと思えばいいのかもしれませんが、πの桁数は12兆以上あり、ランダムながらそこには何らかの規則性があるのではないかと思ったりします。こう思うのもバイアスで、形になったものの方がないものより、人間は安心できるという性質があるのではないかと思われます。

ボクサーが痛い目をして賞金を稼いでも、その大半は女に流れていくように、男らしさというバイアスは、古来獲物を持って返り、女たちの歓喜の顔を見ることで強化されているので、その流れに違和感はありません。しかしカマキリの生態を知ると、このバイアスも揺らぎます。日本男性の独身者が多いのを見ると、単に収入が少ないというものもありますが、カマキリ女の獰猛さも気づいているのではないでしょうか。

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