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マーク・トウェインが死ぬ2年前に書かれたものです。未発表でありましたが、マーク・トウェインの秘書と出版社が、マーク・トウェインの死後、これと他の二つの未発表のものをつなげ、改変して、「The Mysterious Stranger,A Romance」というタイトルで1916年に出しています。1963年にJ・S・タキーが見破り、未発表の原本そのものを発見して、これを翻訳したものです。
マーク・トウェインの晩年に書かれたもので、宗教に対する疑念や人間不信が表れています。
「・・・よく運動をし規則正しい生活を送り、放蕩と宗教を避け、そして結婚しないように、なぜなら家族というものは愛をもたらし、それを愛の多くの対象のなかで分配し、それを強烈なものにする。そのためにこのことが原因となって人を消耗させるような心配や懸念が生まれる。そして愛の対象が苦しんだり死んだりすると、悲惨は懸念が増加し、心臓を破り命を縮めることになるからなので・・・」
これを書いた頃は、長女もなくなり妻もなくなり三女も亡くなっています。二女は結婚しヨーロッパに住んでいます。秘書や女中はいても、身内がいないのは寂しいものでしょう。ズボンも背広も真っ白なものを着て、気難しそうに歩いているフイルムが残っています。
「人間は自分の頭の中で何一つ独創的なものを生み出してはいない。外面的なものをただ単に観察し、それらのものを頭の中で結び付けているだけなんだ。観察したいくつかのものを一緒にして、そこから結論を引き出しているだけなんだ。人間の心は単なる機械に過ぎない。それだけのものさ。自動的な機械だ。そして人間はそれに対して何の制御力ももっていない。その機械は新しいもの、独創的なものは考えることはできない。外部から材料を集めてそれを結びつけ、新しい形やパターンにすることができるだけだ。」
シェイクスピアも組み合わせの妙に過ぎないと、「人間とは何か」で言っています。