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私の小さい頃、祭りの際に並ぶ屋台を覗くことに飽きることはありませんでした。えべっさんも、とうかさんも今以上に多くの屋台が並んでいました。いか焼きの匂い、綿菓子、今はないかもしれませんが、サトウキビの茎を売っていて、それを咬んで甘い汁を飲み込んでいました。他に楽しみはあまりないものですから、祭りのときは本当に浮き浮きしたものです。それが今は祭りになってもそのような盛り上がりはないようです。広島では屋台も禁止されています。かつて新天地公園は、土のうえにお好み屋の屋台がテントを張って何軒もありました。雨が降れば、公園の地はぬかるみなり、長靴でないと歩けません。でもその頃のお好み焼きはおいしかった。たっぷりとお多福ソースをかけ、そのソースが焦げる匂いが何ともたまらない。
この本では世界の屋台が写真で載っています。イギリスではスウィーツのケーキも露天で売っています。先進国ではホッとドックや、ポップコーンなどの、自動車を改造した屋台が多い。変わったものではスープだけを売っている店もあります。スイスのスキー場ではチーズフォンデュを売っています。日本ではオデンみたいなものでしょう。
どこの国でも女性は露天の主です。生活力があります。たとえ小額の売り上げでも腐らず頑張っていることが分かります。自分の全身が露店になっている女性もいます。商品を自分の体に巻きつけて歩き回って売っているのです。男性もいますが、熱心に売っているようには思えません。他にいい仕事がないのでこんなことをやっているのだという態度が見え見えです。
ギリシャではソクラテスそっくりのおっさんが焼きとうもろこしを売っています。この力士のような格好はソクラテスが歩兵として出陣し、敵を斧で蹴散らしたことを髣髴させます。ところが今ギリシャは倒産の憂き目にあっているのですから、ソクラテスも焼きとうもろこしを売らないといけないような状況なのでしょう。
パキスタンでは露店の歯医者もいます。陳列の中に光るものがありますが、入れ歯の材料かもしれません。歯医者の男も写っていますが、帽子を被り、医者というイメージはなく、浮浪者のような感じです。
アジアになると途端にものが豊富に見えてきます。屋台もひしめいています。先進国のようにスカスカではありません。熱気が感じられます。今からは世界はアジアをめぐって展開するということが分かります。やがてアジアの女性が世界を牽引していくということがひしひしと感じられます。