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マーク・トウェイン赤毛布外遊記 上

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マーク・トウェイン赤毛布外遊記 上


          この上巻では、マーク・トウェインがミラノにあるレオナルド・ダ・ビンチの「際顔の晩餐」を見る有名な箇所があります。損傷が甚だしく、ナポレオンがイタリアを征服した時、この部屋に馬を繋いでいて、その馬が蹴って、この絵の使徒たちの足の部分をはがしてしまっていたと記しています。他の人がこの絵の前で感激するほど、マーク・トウェインは感激していません。

『「最後の晩餐」の絵について、あれこれと文献を読み漁った上で、それがかつては、実に稀代の名画であったことに、納得できた。しかし、それは300年前の話なのである』

またこのようなことも言っています。

「衰弱して、目も見えない、歯が抜けて、瘡蓋の痕のあるどこかのクレオパトラ見て、何と絶世の美人だろう!実にすばらしい人間だ!この表情はどうだ!という人を、諸君はどう思うか。・・・諸君は、それらの人々は、既に過去のものになったものを、今まのあたりに見得る、驚くべき才能に恵まれている、と思うであろう。私が最後の晩餐の前に立って、人々が、彼らが生まれる百年も前に、表面から消えてしまっている驚異と、美と、完全とを、頓呼法で呼びかけるのを聞いたとき、私もちょうどそんな風に思ったのである」

我々大方は権威と金銭に弱いものですから、ピカソの絵を見てそれが何十億円もするときくと、わけがわからないでも、ヘヘーすごいものだと感心する精神構造になっているようです。付和雷同が我々の常です。考えないでいいほど楽なことはありません。その点マーク・トウェインはひねくり者ですから、田舎ものと言われようと、意に介しません。

「イタリアを旅行して、絵のことを語らずにはいられない。しかも、他人の目を通して、絵を見るなんてことが、どうして私にできよう」

 

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