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現代人はツイッターのように短い文に接するばかりで長い文は億劫がっているようです。おまけにデジタルの情報は次から次と入ってきて、振り返ることもしなくなります。だからあまり記憶に残りません。このような状況で何が生じるかというと、付和雷同の人々の増加です。脳の中には覚えた知識もなく、大方は検索によって外部から容易く取り入れることができます。しかしこれは確信が持てるほどの知識ではなく、何か頼りなさがでています。だからお互いに「いいね!」と連発して、自分の自信のなさを覆い隠そうとしているのでしょう。
一方、紙の本でも新しい知識も入ってきます。しかしすんなりと入ってくるわけではなく、読んだページを再度見たりして、時間をかけて徐々に新しい知識のイメージが形作られていきます。それから記憶に残った多くの知識の相互作用でやがて知恵なるものもできてきます。紙での読書はその人独自の世界観ができあがってくるということです。デジタルの一過性の知識とは異なるものです。紙の本ではバックボーンができて、ある面融通の利かない人間になるかもしれませんが、容易く時流に流される人間にもならないでしょう。
メアリアン・ウルフはこの本の最後、この前安部総理がYouTubeに出たとき言っていたことと同じことを言っています。
「親愛なる良い読み手のみなさん、わが家に帰りましょう」