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川田順造 人類学者の落語論

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川田順造 人類学者の落語論


        『筆者の標榜する「文化の三角測量」の方法に従って・・・』と書かれていますが、「西アフリカ内陸サバンナ地帯のモシ社会」での、夜話と落語がどう「文化の三角測量」でつながっているのかよくわかりません。日本の昔話とよく似た話がモシ社会にでもあります。日本とアフリカは遠く離れているのだから、伝わったということではなく、人間は人種が違っても同じような考え方をするものだと川田順造は言っています。落語の起源がこういった昔話やなぞかけや駄洒落の類から出てきて、落語という精錬された形になったということで、モシ社会では夜の団欒に家族が集まって昔話をしゃべる段階にとどまっているということなのでしょうか。アフリカがもっと発展すると、面白い話をして生活できるような漫談家や落語家が出てくるのでしょう。文化の度合いというものは専門集団の数の度合いかもしれません。文化が高いということは専門家がたくさんいて何もかも分担してやっていく社会で、文化が低いということは何もかも自分ひとりでやらないといけない社会ということになります。川田にいう「文化の三角測量」とは専門性の多寡を測り、文化の度合いを推定することなのでしょうか?しかしながら文化人類学の大前提にはおのおのの社会が進んでいるか、おくれているかは言えないで、単に違いでしかないということですから、いくら専門家が他の社会よりも多くいるといっても、それが進んでいるとは言えません。そういう社会もあるということです。もちろん川田も文化が高い低いといっているわけではなく、日本では落語家がいて、アフリカのモシ社会では家族が笑い話に興じているということなのでしょう。

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