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読書

リズ・マレー ブレイキング・ナイト


    「ブレイキング・ナイト」とはどういう意味を持たしているのでしょうか?

『私はただ夜明けまで「ブレイキング・ナイト」しているだけ。毎日、太陽が昇るまで闇を払いのけ、朝が来ればまた一日を始める準備をし、同じように生きていける』

本文ではこのように訳されています。単に夜明けのことを言っているのかもしれません。

彼女の父は薬物の売人でもあり中毒者でもあり、母親も中毒者です。生活保護費もコカインの購入で一週間ももたなく、あとは支給の食料を売ったり、子供の自転車や、服を売ったり、酒場で売春をしてカネを得て、コカインに変えたりしています。家の中はゴミだらけで、風呂の配水管はつまり、そこにはドロドロの黒いものが溜まっていたとかいています。とうとう母親はエイズに罹り、リズ・マレーがホームレスをしていた17歳の頃死んでいます。父親とは別れていて、母親と姉は、美術館の守衛をしている男の家に転がり込んでいました。その男から小額のカネをもらうために、母親は股を開いて、セックスにこたえていたと、彼女は書いています。

彼女は15歳からホームレスになり、友達の家に泊まったり、時には建物の踊り場で寝たりしています。プエルトリコ人のカルロスと仲良くなり、モーテルに寝泊りします。このカルロスもやがて薬物の売人になり、拳銃をさして出て行ったりします。はじめは優しかったカルロスも、彼女がブツブツ言うと、途端に暴力的になります。

モーテルから出て、彼女はもう一度高校をやり直そうと考え、それから真面目に勉強をします。それで成績も上がり、とうとう特別な奨学金まで得て、ハーバード大に入学します。テレビで、「ホームレスからハーバード」というタイトルで放送されたりします。反響は大きく、アメリカ全国から支援を受けています。小学校でも中学校でも出席日数は少なくても、試験をしたら通ったということですから、地頭は良かったのでしょう。環境が悪くても、もともともっているものが良ければ、それなりに収まるところに収まるということがわかります。

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