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ロレンス・ダレル バルタザール

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ロレンス・ダレル バルタザール


    最初の覚書に、この小説は3部作であり・・・とあり、この一冊だけでは意味が分からないかもしれません。主人公と思われるのはエジプトのアレキサンドリアに住む美貌のジュスティーヌ、いろんな男と絡んで物語が展開します。全然関係の無い男も出てきますが、それはこの物語を語る男との関係で出てくるだけです。物語る男もジュスティーヌと関係し、主要人物の説明欄では学校の先生となっていますが、小説のなかでは医者でもあるような記述があります。この小説のクライマックスは謝肉祭だと思われますが、エジプト・アレキサンドリアのイスラム教の世界で、キリスト教行事を堂々とやる神経の図太さに、西欧先進国の横暴さを感じずにはいられません。この語り手も、もう一人のイギリス人の外交官も、女だけではなく、若い男まで触手を伸ばしています。フランスの外交官も現地の女との別れ話で、高級車を石ででこぼこにされています。この小説ができたのが第二次世界大戦が終わって10年後のことで、その頃まだイギリスの力は中東にはあったのだと思われます。植民地に対する宗主国の気質が残っているのでしょう。

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