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ヴェルナー・ゾンバルト ユダヤ人と経済生活

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ヴェルナー・ゾンバルト ユダヤ人と経済生活


    ゾンバルトは晩年ナチに協力したということで、戦後省みられなかったが、最近見直されてきています。解説によると、「人間について」で「諸民族の融和」を求めていることを書いていますから、かえってナチに睨まれたということになっています。マックス・ウエイバーがプロテストタント精神が資本主義の発展に寄与したと言っていますが、ゾンバルトはその大元のユダヤ教の精神が資本主義の骨幹を為していると言い換えています。現在の、国境を越えて世界にまたがる多国籍企業をみると、国などどうでもいい、自分たちだけが儲かればいいといった世界観から、ユダヤの自由主義に共通するものが浮き上がってきます。

ユダヤ人が行くところの国は栄えると言ったのはゾンバルトがはじめてでしょう。反対にユダヤ人を締め出すとその国は衰えるというのも真実です。スペイン、ポルトガル、ナチのドイツも廃墟になりました。ユダヤ人を受け入れたアメリカが戦後世界の覇者になりました。ユダヤ人は中世ヨーロッパで金貸しをし、やがて金融のスペシャリストなります。

「偉大な仕事を完成するには、何千本の手に対して一個の精神があれば十分だ」

まさしくこれは「資本主義的性質の抽象性」の表れです。マネーが数字に置き換わったのです。

流浪の民となったユダヤ人は行った先の国の言語を覚えます。通訳としても身を立て、やがて貿易にまで手を染めることになります。オランダ、イギリスのインド会社もユダヤ人が関連しています。

ゾンバルトはフロイトの「リビドー」の考え方の影響を受け、ユダヤ教の性生活の厳しい掟で、その抑圧されたエネルギーを経済の方に注入したのだと解説しています。ユダヤ人は他の国の人と比べて私生児が極端に少ないということから、妻以外接することが無く、若いときはともかく、年をとれば飽きますから、ユダヤの男たちのエネルギーの吐き出しは金儲けの方に行ったという解説をしています。

 

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