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ヴォーンダ・ミショー・ネルソン ハーレムの闘う本屋

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ヴォーンダ・ミショー・ネルソン ハーレムの闘う本屋


     1910年ルイス14歳の時、ピーナッツ一袋を盗んで20回のむち打ち刑を受けています。19歳の時、また捕まりました。裁判官が「生計をたてるためになにをしているのか」ときかれて、ネルソンはこう答えています。

「おれは、生計を立てるためにやったことがもとでここに入れられたんだ。白人だって同じことをしているのにさ」

「何のことだ」(裁判官)

「盗みだよ。あんたたちはアメリカにやって来て、インディアンからアメリカを盗んだ。それに味をしめて、今度はアフリカに行っておれの先祖たちを盗み、おれたちを奴隷にした」

今でも黒人の被疑者は警察官にピストルで撃たれてよく死んでいます。100年経ってもあまり変わっていないようです。

ルイス30歳の時、賭博屋をやっていて、騒動になり、護送される途中、警官に警棒で殴られ片目が潰れます。義眼を入れるようになります。

ルイス45歳の時ハーレムに黒人専門の本屋を開きます。ここを拠点にして多士済済の人物が集まります。マルコムもこの本屋に入り浸りになります。ルイスは彼に期待を抱きます。「飼いならされた黒人」でない、「当たり障りのない知的なことをしゃべるように教育」されてもいない、真の黒人の雄弁家がマルコスです。残念ながら暗殺されてしまいます。ボクシングのヘビー級チャンピオン・ムハメド・アリ(カシアス・クレイ)もやってきます。

よく良心的白人が、「どうすればみなさんの力になれるのでしょうか?」とルイスにきいてきます。それに対してルイスはこう答えます。

「スラム街の力になりたいだって。それなら家に帰ってその上等の服をぬぎ、エプロンをかけてほうきをもってこい。そして、街の人々の中に入って家の掃除を手伝え。そうすればあんたたちが真剣だってことがわかるだろう。あんたたちはいつだって、わたしたちに何が出来るか、というが、それじゃだめだ。大事なのは一人の人間として、君が何をするかだ」

これで口先だけの良心は吹っ飛びます。

1968年ハーレムの再開発でルイスの本屋は立ち退きます。ロックフェラー州知事の約束で新しく建った建物に入居できるといわれたからです。ところが知事が変わるとその約束も反故にされます。しかしルイスの体調の悪さで1974年店を閉じることになりました。

ルイスの言葉に「切り倒されている時、黙って立っているのは樹木だけだ」というのがあります。黒人も学んで、そのような状態の時には抗議の言葉を発せないといけません。単に「Fuck you」だけでは相手側からピストルの弾や警棒が飛んでくるだけです。

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