[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
アベノミクスで景気がよくなったというのはごく一部でしょう。私の店も相変わらず低迷を続けていますが、この本を読むと、日本ではみ出た人が東南アジアでかろうじて生きているのがわかります。いけいけドンドンのあの景気のいい時代からは考えられないような事態にもなっています。あの金満家の日本人がタイのチェンマイでホームレスになり、本などを万引きして、古本屋に売って生活費にしています。捕まりましたが、あまりにも惨めなので、同情をかって釈放となりました。本人は捕まって刑務所で飯の心配のない生活を願っていたのですが、その願いも空しくまた町に放り出されています。
かつては日本人は東南アジアでは「黄色いバナナ」と呼ばれていました。つまり「外側は黄色いが、中身は白い」「黄色人種の肌の色をしているが、本質は欧米人だと」ところが最近は円安に連動するように日本人に対する東南アジアの人々の見方が、下方に修正されているようです。以前は純朴であった東南アジアの女性も、もてない日本人を食い物にしているようです。年金生活者が東南アジアの地で若い嫁さんを得ると、まず両親が金をねだります。それから親族が金を貸してくれと来ます。それからその地域の寺が寄進を願い出ます。そして日本人が一時日本に帰り戻ってくると、家には何もかもなくなっていて、嫁さんも逃げてしまっているということが多くあるようです。
唯一この本で希望が見えたのは、日本で精神統合失調症の男がベトナムのホーチミン市の太陽の下ではもはや薬を飲まなくていい状態になったということです。日本では受け入れてもらえない人間も東南アジアでは「ゆるい」環境なもので、許容されているのか、無関心なのか、何とかその地に溶け込んでいるようです。この人は腹にできた湿疹を治すために日光浴をしていますが、ベトナムではそのような習慣はなく、子どもたちから「バカ」と言われています。もはやそのようなことを気にかけないほど、この地は統合失調症を寛解させるものがあるようです。