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小川泰平 泥棒刑事

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小川泰平 泥棒刑事


          泥棒がつまり窃盗が一番世の中で多い。専業泥棒が日本には3000人いると言っています。それに出来心で泥棒をやってしまう人も数多い。チューインガム一個をスーパーで盗んで捕まった、尊敬される職種の人もいます。

小川泰平の出世は巡査部長に止まりましたが、一貫として「捜査3課」に所属し、「ドロ刑」として30年間勤め上げました。50歳で退職しましたが、何かあったのでしょうか。激務で体力が続かなかったのでしょうか。定年まではまだ10年間もあるのに、退職金がもったいないことです。警察社会の階級世界に嫌気がさしたのでしょうか。しかしこの本で見る限り、警察に対する愛着があります。厳しい環境の中でも、ホッとする場面もあります。泰平が駆け出しの頃、おっかない上司の湯飲み茶碗を割ってしまって、謝ります。

『「森田部長、申し訳ありません。湯飲みを落としてしまい、割ってしまいました」・・・森田部長は周りの刑事連中に全員に聞こえるほどの大声で、「なに!落として割ったぁ」と怒鳴ったのだ。と同時に周りの刑事からは笑い声が上がった。・・・しかし森田部長は笑顔で、「落とした。割った。いいじゃないか、ドロ刑にはつきもんだ」』

言葉の上でも縁起を担ぐ世界だと思われます。海千山千の犯人の供述をとるのは並大抵のことではありません。泰平が扱った中にただ一人黙秘し続けて供述がとれなかった病院荒らしがいました。この経験が何年後には「落としの小川」と言われるほど「役に立った」ということになります。

しかしながらこの警察世界に於いてもコンピューターの進出はとどめようがなく、「ドロ刑」のカンもコンピュータに取って代われつつあります。裁判をするには確実な物証がなければならず、供述だけでは裁判を維持できない状況です。コンピュータの進出でそれを使い切れない小川泰平とって(私の勝手な思い込み)、もはや警察社会はあの牧歌的な犯人と刑事の人間的つながりがなくなったと思い、もうこの職場にいられないと思ったかもしれません。

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