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仁科邦男 伊勢屋 稲荷に犬の糞

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仁科邦男 伊勢屋 稲荷に犬の糞


      このタイトルそのものが「地口」です。副題の「江戸の町は犬だらけ」も語調がいいのでこれも地口だといえましょう。この「犬だらけ」で思い出すのは渥美清の寅さんの啖呵売の言葉です。

「結構毛だらけ猫灰だらけ、けつのまわりは糞だらけ」

「四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが水臭いとときた」

「信州信濃の新そばよりも、あたしゃあなたのそばがよい」

「あなた百までわしゃ99まで、ともにシラミのたかるまで」

「見あげたもんだよ屋根屋のふんどし、たいしたもんだよ蛙の小便」

「四谷赤坂麹町、チャラチャラ流れる御茶ノ水、粋なねいちゃん立小便」

渥美清が死んではや20年にもなろうとしています。寅さん映画では腹から笑えましたが、今はそのようなことは全然なく、芸能界に喜劇人がいないのではないかと思っています。今面白いといえば綾小路キミマロくらいなものです。

この本に立ち戻ると、伊勢屋とはいまの三重県の人々が江戸開城のおり大挙して江戸に入り、倹約を旨として商売に精を出し、大いに繁盛したということで、伊勢屋と名のつく商店が多くありました。越後屋よりも数が上回っていたそうです。稲荷神社も江戸には無数にあり、犬も将軍綱吉の生類哀れみの令によって増えに増えたとありますが、中野に巨大な犬小屋を作り、白米をあたえたものですから、脚気になってバタバタと死んでいったそうです。

明治に入って洋犬が入ると、西洋かぶれが銭湯に洋犬を連れて行って、それを洗っていたり、座敷のある食べ物屋に洋犬を連れ込み、周りの者たちの顰蹙をかっていたという記録もあります。今で言うところのハロインの馬鹿騒ぎみたいなもので、どの時代でも流行にさといが、周りの環境を読めない人々が多くいるということがわかります。

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