[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
1940年生まれの加藤一二三先生は今年74歳です。いまだに順位戦C級2組で将棋をしています。2013年の成績は4勝11敗です。名人経験者がここまで落ちたのは例がありません。ここで負け越すとフリークラスになり、順位戦には参加できません。しかし生涯勝率は5割を切っていませんから、若い頃いかに強かったがわかります。それも大山、升田、米長、中原がいる時代です。いま生きているのは中原のみです。中原は私と同年代で67歳、もはや引退しています。加藤は「神武以来の天才」といわれ、17歳で順位戦のA級に上がっています。若くして名人挑戦のクラスに入ったのは、中原、谷川、羽生くらしかいません。いかに才能があったかがわかります。
加藤は奇行でも有名です。野良猫に餌をやり、そのことで近所から裁判を起こされました。野良猫が繁殖して近所が困ったのでしょう。カソリック教徒であり、「生類哀れみの令」に突き動かされたとしても、裁判にするほど意地を張ることもないと思われますが、結局は餌まき禁止と慰謝料204万円の判決がありました。
才気煥発の米長とはそりが合わず、NHK杯での加藤と14歳の羽生の試合を米長が解説している時、羽生が妙手を出し、米長が「ひあひあ」と高笑いして、はしゃいでいたシーンを思い出します。その米長も去年亡くなっています。寂しいかぎりです。
私も加藤のように70過ぎまで現役でやれるかどうか心配です。超人といわれた大山ですら69歳で死んでいます。70を越えるかどうか、男にとって一つの試練になることでしょう。