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読書

勢古浩爾 まれに見るバカ


       「バカ言葉」のなかで、「自分を生かせる仕事がしたい」というのがあり、勢古はそういうバカ者たちをこう言っています。

「世の中の大半の自分らしく派は、努力もせずに困難も求めずいかなる向上心もなく、ただ現在ある自分そのものを認めてくれ、といっているだけである。親でもない他人が、なんでどこの馬の骨かもしれないあんたをみとめなければならないのよ」

AIの発展でそのうち国民全員に毎月生活できるほどのお金を配る「ベーシックインカム」の制度ができると予想している人もいます。すべき仕事はすべてAIがやってくれるので、人間は日々好きなことをして過ごすようになるでしょう。多分勢古が言うように、大半がのんべんだらりと向上心も無く遊びほうけるでしょう。しかしなかには好きなことを極め、芸術家や研究者になるかもしれません。どの時代でも一定の優秀な人と、大半が「バカ」な人が混在しています。「バカ」が不必要かというと、とんでもありません。遺伝子のレベルで見ると、犬でも見てわかるように、優秀系の犬は賢いのですが、体が丈夫ではありません。純系を極めると一部の才能は伸びますが、他の面では劣化が起こります。だから時には雑種の遺伝子を組み込んで、その劣化を防がなければなりません。そのために「バカ」が必要なのです。大量な「バカ」の遺伝子のプールの中に、時には優秀な人は浸からないと、人間はおかしくなるのです。赤血球の異常もマラリアの病気には抵抗力があるといったように、「バカ」と言われる人の遺伝子にも、人類の発展に寄与するものがきっとあるのでしょう。

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