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北朝鮮による東北アジアの不安定で、金日恩の斬首作戦と盛んに言われる中、この目的に秘密のうちに作られた韓国の特殊工作員たちが訓練の厳しさゆえに、教官を多数殺し、教場から逃げ出し、大統領の青瓦台に行く途中も多くの死傷者を出した事件があり、この顛末を書いたのがこの本で、何十年間の事件ですが、今のこの時期、タイムリーなことだと思い、読んでみました。このシルミドというのは、仁川空港ある島の隣の小さな島の名前です。漢字で書くと「実尾島」となります。これは正規の軍隊ではないらしく、街にうろつく与太者や刑務所に入るようなものを集め、厳しい訓練をし、その途中で二人も死んでいます。金正日を暗殺するためにだけ集められたものですから、たとえ北朝鮮において殺されても、韓国軍は自分の軍隊のものではないと白を切るつもりだったのでしょう。
アメリカのグリーンベレーについての映画かドキュメンタリーを観ましたが、ものすごいしごきをやっていました。ただしアメリカの場合はそのしごきに耐えられなかったら、手を上げて脱退できることができます。でも韓国の場合は、逃げ出した隊員は捕まるとみんなで殴られ、死亡してしまいました。街や家庭の厄介者ですから、死んでもとやかく言われないだろうという思いがあったようです。はっきりいえば捨て駒のような扱いです。とうとうこれら狂犬化された特殊隊員たちが、自分たちの待遇改善を要求するために、大統領のいる青瓦台を目指して、まず教官らを殺し、バスをハイジャックし、それを阻止しようとする警察官らを殺し、民間人も巻き込まれ、最後にはバスの中で手榴弾を爆発させて自殺したという展開になりました。今裁判中の元大統領の朴槿恵の父親・朴正煕が大統領している頃で、1971年8月に起こりました。この事件は映画化もされ大反響を巻き起こしました。事件の生き残りの教官は二人くらいはいるようですが、歳は70歳を過ぎ、この本の出版も2004年でそれから今年で13年も経っているのですから、現在ではその生き残りの隊員も生きているかどうかはわかりません。日本のかつての軍隊の悪しき習慣が韓国の兵站の中でも生き続いていたということになっていたのではないかと思われます。