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読書

境セイキ ニューヨーク底辺物語


        ドラッグにはまって浮浪者になり、乞食までなっています。アパートを追い出され、ホームレスになります。空き缶集めで、カネを稼ぎ、それをドラッグにつぎ込んでいます。勤勉な日本人にたがわず、ニューヨークで、すぐさま「カン・キング」と呼ばれるようになります。ライバルがいなくなると、空き缶集めも飽き、友人の勧めで「パン・ハンドリング」(乞食)になります。初日に30数ドルあったということで、労働しなくてもただ座っているだけで、毎日そのくらい入ってくるのです。アメリカ人は結構温かい人が多いのです。食べ物は毎日このような貧窮者に食事を与える場所があるので心配ありません。なかにはサンドウィッチを恵んでくれる人もいます。料理店では余ったものをパックに包んで閉店した店前に吊るしているようです。中にはひどい奴もいますが、境セイキはつばをひっかけられたくらいで、人体を傷つけられたことはないようです。乞食になって境セイキはドラッグを止めてしまいました。落ちるところまで落ち、ただじっと座っていることで、まるでブッタのように覚醒したのです。

「道に座って紙コップを前に置き、同じ場所に寝泊りする事によって僕はヨロイ脱いだ。・・本当の意味でのHeart(ハート)をもった人たち。そういう人たちと接していて気づいたのは、人の内面は外面を作るということ。・・皆、いい顔をしている。僕もああいういい顔にいつの日になれたなら・・・」

乞業は「精神修養」になり、毎日思いついたことをノートに書き連ねることは、「ホームレス生活の卒業課題」だといっています。この本の出版が2002年で、彼の経歴欄では2002年現在「本人にもわからない不思議な境遇にいる」と書かれています。今年2018年で彼は56歳になっているはずです。相変わらずニューヨークで乞食をしているのでしょうか?

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