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大塚ひかり 本当はひどかった昔の日本

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大塚ひかり 本当はひどかった昔の日本


       「かつてあったことは、これからもあり、かつて起こったことはこれからも起こる」「昔の方がよかったのはなぜだろうかと言うな、それは賢い問いではない」という聖書の文句を冒頭に置いてこの本を書き進めています。現代日本にある問題はかつての日本にもあったということが例証されています。そうかといって、現代日本ではたぶんなくなったであろうこともあります。「人さらい」です。人を買って奴隷として売るのです。別の形でサラリーマンも一種の奴隷かもしれませんが、山椒大夫のように額を焼き鏝で印刻されることはないでしょう。また、ポルトガル船が日本で奴隷の密貿易をしていたということの記述が我々が学んだ歴史教科書あったということを思い出せません。アフリカだけで日本ではやっていないと思っていましたが、実際はポルトガル人による日本人奴隷売買は盛んだったようで、中国にもインドにも果てはヨーロッパ諸国にも日本人奴隷は売り飛ばされ、惨めな境遇にいたようです。これに対して1587年豊臣秀吉が禁止令を出し、一応日本では奴隷の売買は行われなくなりました。しかし今、アフリカのナイジェリアでは十代の女性徒が監禁され、犯人はこれらを売り飛ばすと言っています。日本ではありえようがなくなっても、世界的には「かつてあったことは・・・」がいまだに証明されています。

日本で燦然と輝く「源氏物語」の主人公・光源氏は殺人罪、未成年淫行罪、強姦罪、拉致監禁罪、等々を犯しています。今で言うところの始末の終えない「ヤンキー」といえるでしょう。罪に問われないのは、出自が天皇の御子であるからです。今ではこのようなことは許されないでしょう。昔はよかったというのは老人の口癖ですが、丹念に昔の事跡を調べてみれば、今のほうが少しは進歩していて、少しはましな生活ができているような気がします。

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