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大村大次郎 お金の流れで読む日本の歴史

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大村大次郎 お金の流れで読む日本の歴史


     イギリスのEU離脱のことは、かつて日本の歴史にもありました。というのはキャメロン首相が 、離脱派の議員を一掃するために、国民投票という賭けに出たことです。あえてしなくてもいいことをしたことです。日本ではペリー来航のときに突きつけられた日米修好条約について、いままで京都の朝廷などないがしろにしてきた江戸幕府が、気の迷いから天皇に許可を求めました。それによって攘夷運動が盛り上がり、江戸幕府の寿命を縮めた結果になりました。江戸幕府も天皇から委任された時の政府だということがあらためて思い出されたのです。今の安倍政権も憲法9条の改正で国民投票を行なえば、キャメロン首相の二の舞になることは間違いありません。その点自民公民は巧妙で経済問題を前面に押し出し、そのことをカモフラージュしています。

大村大次郎は元国税調査官で、明治以降敗戦までの日本の税制はそんなに高いものではなかったと言っています。農民には地租がかけられましたが、そんなに高いものではなく、一般庶民には「直接税」はほとんど課せられていないし、高額所得者は一律8%です。日清戦争では「酒税」でほとんど賄うことができたと言っています。日露戦争では高橋是清の努力で日本公債をイギリスとアメリカに買ってもらったおかげで賄うことができ、第二次世界大戦では国債を発行しそれを日銀が引き受けたということになっています。それにしても所得税8%で、明治を過ぎ、大正、昭和のはじめ頃になると、財閥とその家族たちは今以上に富を集中させます。貧乏人の男の子供は軍隊に行くしかまともな生活は出来ない状況になります。貧乏人の女の子は遊女に売り飛ばされていました。このような状況で金持に対するテロが起きたり、2.26事件や5.15事件が起きたのです。現在もこのような状況に似てきています。大金もちと、持たざるものの二極化です。中間層はほとんどいなくなります。小泉首相以降、「トリクルダウン」という「富めるものが富めば、」そのおこぼれが貧乏人に回ってくるという経済政策を行なっています。ところが実際は富めるものが富めば、溜めるばかりで、下流まで流れてきません。タックスヘイブンをし、拠点を日本ではなく海外に移し、日本に払うべき税金を払わないようにしています。三代もすると大金もちは相続税で財産がなくなるというのはもはや夢の話しのようです。代を経るごとに財産が増えているようです。遊んでいても金が溜まっていく人といくら頑張って働いても食うこともままならない人に分かれます。

著者も最後にこう言っています。

「特定の人たちだけが閏うような世の中は、必ず長続きしない」

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