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副題に示すように、「馬・航海・資本・電子」が世界史の空間を広げていったということをいうことです。アフリカの地溝帯を徒歩で出た人類は何万年もかかって世界に広がってきました。ところが馬を飼いならし、馬具の改良から、モンゴルの戦士は1日で代え馬を帯同し200キロも移動できました。単純に計算しますと、モンゴル平原からヨーロッパに達するには一ヶ月もあれば余裕で行けます。チンギス・ハーンはユーラシア大陸のほとんどを制圧した偉業を成し遂げます。徒歩で何万年かかった空間を馬ではたった一ヶ月で踏破できたのです。
黄金の国ジパングの噂から、ヨーロッパの欲かきどもが海洋に乗り出してきます。船の改良から外洋にも耐えられるものができてきます。それよりも、あてどもない未知の世界に乗り出していこうとする船乗りたちの勇気がやがて三つの大海の様子と、地球の大まかな概容を知ることになり、ヨーロッパ諸国をして世界の覇者にならしめます。これ以降ヨーロッパ人は先住民がいようといまいと船の到達したところは自分の国の土地だと勝手に決めてしまいます。インカ帝国の王アタワルパはスペインの征服者ピサロに対してこう言っています。
「あなたのいう教皇は、自分のものでもない領土を他に与えるなどというところから見ると、狂っているに違いない・・・」
アフリカもインドも中国も彼らの牙に食いちぎられます。大砲の恫喝と図々しさで各地を制圧し、やがて4000万人ほどのヨーロッパ系人間は各地に移住します。これらが撒き散らす病原菌でアメリカ大陸の原住民が2000万人から100万人に減ったと記録されています。この減った分アフリカから黒人を奴隷として、この地に送り、サトウキビやコーヒーや綿花のプランテーションで働かし、やがて彼らには資本という種銭ができて、資本を転がすだけでもカネがどんどん懐に入って来る仕組みを作ります。それが今ではインターネットの電子空間でますます大規模に金融資産を操り、額に汗することもなく、想像も出来ないくらいの富を築き上げているようです。
7万年前アフリカの地溝帯を出たクロマニヨン人は地平線の彼方に茫漠としたものとしてしか感じられなかったでしょう。今ではグーグル地図によってどこもかしこも写真で取られ、私の店のシャッターまでも検索すれば見られます。私が青春の頃は世界の人口は30億人だったものが今日では70億人にならんとしているのです。地球空間はますます縮まり、やがて地球外に移民するようになるかもしれません。