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寺田吉孝 音楽からインド社会を知る

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寺田吉孝 音楽からインド社会を知る


     ブラーマン、イサイ・ヴェーラークル、マルットゥヴァルの三つのカーストがインドの古典音楽を担っているそうです。ブラーマンはカースト制の最上段にいて、演奏家にもそれらの音楽のパトロンにもなっています。イサイ・ヴェーラークルは寺院付きの楽団で、「音楽職能カースト」で、その中には日本での出雲阿国のように女性で歌を歌ったり踊りを踊ったりしていた集団もいました。マルットゥヴァルは床屋のカーストで、音楽もやる人もいます。しかしあまり高く評価されていません。プロとしてはイサイ・ヴェーラークルで音楽を職業にしているのですから、必然的に技能も高いのでしょう。しかしアマチュアであってもブラーマンやマルットゥヴァルも他の職業の可能性を捨てて音楽に集中しているのですから、プロ以上になっている人もいるのです。いまだにインドのカースト制度はしっかり残っているのですから、カーストの違いで一緒に飯を食うことすらできません。同じインド音楽であっても、それを演奏する人によって分断されています。インドは中国についで高い経済成長を続けている国です。やがて大国になるだろうと予想されていますが、弱点はこのカースト制で、中国における少数民族問題と同じように、カースト間の紛争が先鋭になるのではないかと思われます。音楽の中でもカースト間の侮蔑、無関心、批判など渦巻いているのです。

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