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小栗清吾 男と女の江戸川柳

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小栗清吾 男と女の江戸川柳


          「破礼句」(ばれく)とは「卑猥なことをよんだ川柳」ということです。男と女の間には気高いこともありますが、卑猥で助平なこともあります。表裏一体、コインの裏表、高貴な事と猥褻は紙一重ということになるでしょう。ヨーロッパ伝統の騎士精神は女性を持ち上げる「ロマンス」という分野を作り出しましたが、江戸の「破礼句」は女も男もあまり変わりはしない、欲望のある人間であるとの「ドキュメンタリー」を作り出しました。

「おごるへのこひさしからず腎虚なり」

「へのこ」とは陰茎のこと。平家物語の「おごる平家久しからず」の「もじり」です。川柳を理解するためにはある程度教養も必要になります。俳句も川柳も省略の文藝ですから、その裏では日本の歴史と文藝の遺産が控えているのです。

「祇王祇女より広いと入道言い」

これも日本の歴史を知らないと、面白みがわからないでしょう。

「門院をよがらせたのが落ち度なり」

源義経が義理兄の源頼朝から誅せられた原因がこのことだと面白がっていいます。

いまも映画館などで不謹慎なことをやっているカップルが多いものですが、江戸でも歌舞伎観戦中やっています。

「歌舞伎見ながら人形の面白さ」

人形と指人形のことで、指人形とは、・・・川柳辞典でもひいて調べてください。

「中指に皺の寄るほど長い幕」

長風呂で指に皺が寄るようなものです。

連れ込みホテルの前でこのような状況は今でも見受けられるでしょう。

「女の後から弱り果てた男」

江戸では出会茶屋が連れ込みホテルです。

時代が変わっても人間やることは同じようなものです。

「雪隠を一人出てまた一人出る」

今は水洗ですから臭くないでしょうけど、江戸は肥壷の上ですから臭くてたまらなかったでしょう。中にはもっと臭くなったカップルもいます。

「べらぼうめ後架へ二人連れで落ち」

肥溜めに落ちたということです。

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