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読書

小池龍之介 貧乏入門


    戦後、日本人は豊かになるために、がんばりました。あれも買い、これも買いというときにはそれなりに幸福感を味わっていたのです。それなりにものがそろった時、困り果てます。ものの豊かさでは幸福感を感じられなくなったのです。あるものはスピリチュアルへ、あるものは自己啓発、あるものは占い、あるものは精神疾患に陥ります。小池龍之介によると、ものの豊かさの幸福感も、精神的な豊かさの幸福感も、脳にインプットされた杜撰なプログラムによってです。このプログラムはあるものが加わると今までの苦が緩和されるというものです。その緩和そのものが幸福感ですが、それは一時的なものに過ぎません。それの輪をかけて苦が沸き起こります。で、次のものを加えようとします。この欲のスパイパルで、大金もちに成った人もいますが、一生使いきれないカネが溜まっても、この欲のスパイパルは残っていて、相変わらず苦から逃れるためカネをかき集めようともがくのです。大概の人は大金持ちには失敗しますが、それでも別の方法で、このスパイパルを続けます。これでは永遠に苦から逃れることはできません。馬の前の人参がこのプログラムの骨子で、食えることもできないのに、食えるという幸福感の幻想をちらつかせ、人間の欲をかきたてるのです。小池龍之介はこのスパイパルを瞑想によって断ち切ることを提唱しています。このプログラムが発動する前に、瞑想というセキュリティソフトを覆いかぶせるのです。ブッタの言う「一切皆苦」を肝に銘じ、幸福などは幻想と思い、信じないことです。

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