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小沢信男 悲願千人斬りの女

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小沢信男 悲願千人斬りの女


     男で千人の女とやったと高言するのはよく聞きます。女が好きで男千人をくわえたというのはあまり聞いたことがありません。商売女でない限り、普通の女ではできそうにもありません。また自慢たらしく男のように高言することもないでしょう。伝説には「紋散らしのお玉」という芸者がいたそうです。「接した男の家紋」を記念として自分の体に刺青していたということです。でも千人にもなると、とても体一つでは入りきれないでしょう。これも中国人の「白髪三千丈」という類の大げさな表現だと思われます。実在の女性で「松の門三艸子」(まつのとみさこ)という人がいて、はじめ芸者をしていましたが、後に和歌の先生になった女性がいます。幕末前に生を受けて、大正3年に83歳で亡くなっています。これも噂で、実際にそうであったかはわかりません。雑誌などで書かれて、話が大きくなり、松の門三艸子もそれを面白がって何ら反論をしなかったからだと思われます。芸者も和歌の先生も一種の人気商売ですから、そのような話も宣伝になってますます認知度が高まります。量がやがて質の転換をもたらします。「千人斬り」は男性が使用する言葉で、女性の場合、「千人信心」となり、女性は男性を千人も抱くと、「生ける観音様」になり、信仰の対象となり、有難く「御開帳」を恭しく望み込むことになります。もうこうなると国宝級になり、めったそこらに「御開帳」はなくなりますが、目も暗やむような「経典」ができて、「御開帳」に代わるものとして、過激さはなくなりますが、以前にはそういうものがあったということを如実として示すことによりますますこの信仰は高まるようなシステムが出来上がります。松の門三艸子はブッタやキリストやアラーの神には及びませんでしたが、一歩間違えば、明治維新後、天皇にも優るスーパースターになったかもしれません。

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