[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
小谷野敦は「比較文学」の専門で、日本史の専門ではありませんから、「俺の日本史」の題名どおり、他人がどう思おうとも自分はこう考えるのだという日本史です。傍証としてテレビの大河ドラマを数々援用しています。ある面この本は俳優たちの評価表とも言えるでしょう。この本を出す前に「日本人のための世界史入門」を出したのですが、アマゾンの匿名批評で、「上から目線」の何様野郎だと言われ、『人を「上から目線」などと言う、頭が悪いのにプライドばかり高いやつらへの嫌味』も込めて、このタイトルをつけたそうです。「日本人のための世界史入門」は13万部売れたそうで、この印税だけで3000万円くらいあるでしょうから、当分の間、大学の講師などといったアルバイトもしなくても食っていけそうです。おまけにこの二番煎じの「俺の日本史」も売れれば、小谷野敦も売れっ子ライターとしての地位を獲得して出版社からひっぱりだこになりますから、もはや権威はあるがそれほど給料が高いわけでもない東大の教授になる野望も色あせたものになるでしょう。テレビに出てコメンテーターの列に加わり、「頭の悪い」他のコメンテーターをバシバシと切ってもらいたいものです。
この前読んだ本で小谷野の「大河ドラマ入門」のなかで、時代劇なのに「上杉の攻撃は来週あたり」というセリフに、来週などという言葉は明治以後に作られたもので、戦国時代には使われない言葉だと文句を言っていましたが、ある人がこれは「来春」ではないかという指摘があり、これに対し小谷野はDVDをリプレイしやっぱし来週と聞こえるといい、時代劇だったら「来春」(らいしゅん)とは言わないで、「らいはる」と言うであろうと主張しています。私などこのような小さなことはどうでもいいだろうと思いますが、学者はやはり考証の的確さで自身の価値が決まるのですから疎かにできないのでしょう。