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読書

小谷野敦 本当に偉いのか


        人文界のクレーマーとして、また
NHK大河ドラマのオーソリティでもあり、アカデミックな言葉遣いと、下世話なゴシップを織り交ぜて作文をなし、決してその顔つきからテレビのコメンテイターに御呼ばれすることも無く、おまけにどこからの大学から教授として招聘されることもありません。孤高の小谷野敦は愛煙家として「本当に偉い」のかもしれません。東大の比較文学博士課程を出て、雑文業を生業にしているようです。かつては大学の講師として勤めていた時期もありましたが、給料が安く、これでは暮らしていけないとこぼしていました。最近このような不平を言わないところを見ると、書き散らした雑文の印税が定期的に入っているようです。そうかといってもこの本でも見られるように、自分の鬱憤をはらしているような文章から、ゆとりある富裕層には至っていないようです。

「宝島」のスティーブンソンが、ペリー艦隊に乗り込み、アメリカに連れて行ってくれと懇願した吉田松陰の話を聞き、吉田松陰のことを褒めているということもこの本でしることができます。

あの人のよさそうな井上ひさしも、ドメスティックバイオレンス者であり、最初の妻はよく殴られていたそうだと、まるで見てきたようなことを言っています。

司馬遼太郎も、「日清・日露戦争の日本は立派だったが、第二次世界大戦ではダメにになった」という史観というだけで、その史観も史観というほどでもないと言っています。

エンデの話から、それには余り関係の無いアカデミックな人たちの名を書き連ねていますが、どうもこれは小谷野敦の出自のコンプレックスかも知れないと思われます。

「エンデの熱心な推薦者の一人が、子安美知子である。この人は東大教養学部ドイツ科から比較文学の大学院へ進んだので私の先輩だが、面識は無い。夫は阪大教授だった子安宣邦だが、こちらも面識が無い。実弟の森谷宇一は哲学者でやはり阪大の教授だったが面識は無い・・・」

面識が無いのなら書く必要も無かろうと思いますが、アカデミックな家族にはアカデミックな厚い層があるが、小谷野敦にはその厚い層がなかったいうことが、彼をしてそのように書かざるを得ないように仕向けたとも考えられます。

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