忍者ブログ

読書

石平 中国版 サブプライム・ローンの恐怖


    2011年の出版で、2008年からの中国のことを書いています。不動産バブルがはじけそうになったが、中国政府が48兆円もの財政出動で再び不動産バブルが起こっているという時期に書かれた本です。インフレで死ぬかバルブで死ぬかと目次にありますが、2018年に経っても、未だ中国は倒産していません。習近平はこの前の全人代で自分の地位を磐石にした模様です。おまけに北朝鮮の金正恩にも会い、保護者振りを発揮しています。アメリカの中国向けの関税に関しても、対抗策としてアメリカ製品に関税をかけると発表しています。アメリカにいいようにされる日本と違って、言うべきことは言っています。ご主人様の顔色を窺がうポチ犬の日本と違って、堂々とした獅子の態度です。しかし中国民衆の生活は大変苦しいものになっています。「菜奴」とは少しでも安い野菜を求めて町中を自転車で探索する主婦などを名指したものです。「蟻族」とは大学卒業者でも就職できず、葬儀屋の5人の求人に対して500人もの大卒者が応募したり、公衆便所の掃除係りに大卒者も応募しているというニュースも流れています。「蝸居」とは日本語では「ウサギ小屋」ということになります。「蝸居」はテレビドラマになったもので、借金でマイホームを手にしたのはいいけれど、毎月のローンの支払いで人生が破滅するという物語です。かつて日本が経験したことを中国もまたやっているのです。このような苦渋をなめる人もいれば、役人や共産党の幹部のように、賄賂で得たカネでマンションを2,3個も買い、それを他人に貸して儲けたり、愛人を住まわしたりして、ウハウハの生活をエンジョイしている人もいます。

中国古典になぞらえて面白い比喩があります。「西遊記」はエリートと金持のもので、孫悟空と三蔵法師が西域に行くように、エリートと金持は西側の先進国に移住しようとしています。「紅楼夢」とは共産党の幹部たちが愛人を囲って酒池肉林をしているということです。「三国演技」とは、地方の幹部たちが勝手に乱開発したり、勝手に政令を発して民衆を苦しめている状態を示します。「水滸伝」ではこれらの幹部に対して、民衆が「騒乱と暴動を」起こしている状態を示します。

一人っ子政策のおかげで中国には結婚できない男が3400万人もいるそうです。中国政府はこれらの男たちを世界に飛び出させようとしています。イタリアでは中国人が増えすぎて、交通違反で捕まえようとしたら、反対に中国人の群集にイタリアの警察官が殴られたりした暴動が起こっています。日本にもこのような連中が入ってきて繁華街で中国マフィアを作っているのでしょう。移民を受け入れるのも考え物です。

PR

コメント

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

カテゴリー

P R