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読書

石黒浩 アンドロイドは人間になれるか


       私がパソコンを取り入れたのは、インターネットで将棋ができるのと、Hなものが見られると思ったからです。ロボットも個人まで普及するには、Hなことができるというのが必要でないかと思われます。私の場合は冬はコタツをつけて寝ていますから、ロボットは暖房器具であって、なおかつ優しく抱いて欲しいものです。夏はひんやりとした肌触りで、安眠を誘って欲しいものです。セックス機能はついていても構いませんが、私の場合、不整脈の疾患がありますから、その機能を使ってロボットの上で腹上死したりすると、大恥をかくでしょう。おまけに孤独死を予想されますから、ロボットの上でドロドロになっていたら目も当てられないでしょう。

もはやブティックの店員のロボットもできています。人間よりも売り上げはいいようです。私の店でも20万円くらいで買えるなら、若くてピチピチした女店員のロボットを置きたいものです。客の相手はこのロボットに任せ、私はビールを出したり料理を皿に盛ったりするだけだったら、随分楽になるでしょう。また私そっくりなロボットも欲しいものです。たいしたものでなくても、影武者がいると思うと、何となく大物になったような気分が味わえます。店が閑な時はこのロボットと将棋をしたり、時勢について話し合ったりすることでしょう。「ディープ・ラーニング」機能つきですから、話し込めば込むほど、私に似た思考の持ち主になるでしょう。たとえ私が死んでも、このロボットが機能する限り、私に店は永遠不滅になるでしょう。落語家・人間国宝の米朝のロボットもできています。このロボットは米朝そっくりで、なおかつ演じ方もそっくりなので、米朝が死んでいると思うことができません。

老害という言葉があるように、たとえ自分そっくりなロボットができたとしても、自分が死んだあとは、「ディープ・ラーニング」がきかないのですから、それ以上の進歩はありません。やはりロボットも時代遅れの代物になるのでしょう。時たま納屋から出して、埃を払い、ロボットに話をさせ、往時を思い出させ、懐かしがるのがロボットの役目になるかもしれません。

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