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読書

山田泰司 食いつめもののブルース


     表紙の写真の人物はゼンカイさんといい、廃品回収業をしていましたが、紙やその他のクズの価格の低下で、商売ができなくなり、上海を出て、故郷に帰ったり、娘のエステ店に投資して娘のところにも行ったりしています。上海では不法住宅を借りていましたが、上海市の方針であっという間に潰され、路上生活者になっています。かつての日本でも廃品回収業者は犬を連れて、このようにリアカーでまわっていたものです。犬は一種のセキュリティになっています。看板に書かれた漢字も何となくわかるような気がします。一番上の業は高値で買い取りますということでしょう。電脳とはパソコンのことで、携帯や電話機も買取の対象になっています。

中国では農村部と都市部では戸籍も違い、それだけで大変な格差があります。農村部では中学もまともに出ていない人が多いのです。中国では中間層は1億人もいないのではないではないでしょうか。13億以上は貧困層だと思われます。いい加減な中国の統計局によると、農工民の75%が中卒以下ということになっています。実際はもっと多いのかもしれません。

上海や北京の駅には田舎からやってきた農工民が行き当てもないので駅にたむろしています。イッチョライの背広を着て、駅前で路住生活をしています。やがて建設現場で仕事にありつくと、その背広姿のまま、鶴嘴を振ったりしています。要するになけなしのカネをはたいて、背広を買い、田舎から出てきたのですが、それしかないのでその姿で肉体労働をしているのです。やがてその背広もボロボロになります。不法住宅や、ロシヤとの関係が悪くなった時に盛んに作られて地下シェルターにもぐりこみます。ゼンカイさんのように、市の方針で、追い出されたり、家主から法外な家賃を要求されて、また路上生活者になったりしています。

日本も生きにくいところですが、中国を思えばまだマシなように思われます。富裕層や共産党の幹部すらカナダに移民しようとしています。貧困層も有り金全部はたいて、クルーズ船に乗り、日本に上陸して、身をくらましているようです。

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