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一粒で二度おいしいという菓子のコマーシャルがありますが、一度見た映画を、また解説されると、このような見方もあるのかと驚かせます。「ローマの休日」では、オードリ・ヘップバーンの清楚さに見とれるだけだったのが、通過儀礼であると解説されると、わがままな王女が一人の女性になったのかと思い、ストーリーの各場面が少女から大人の女性へと変化していく風に見えてきます。オードリ・ヘップバーンは第二次世界大戦でオランダにいて飢餓を体験しています。このときの栄養失調がスリムな体型をつくったのでしょう。戦場でなかったアメリカの地のマリリン・モンローとは対極にいる女優です。
「スタンド・バイ・ミー」では少年が大人になる映画です。この映画音楽の歌詞がなかなかいいものです。
「もし僕らの上に広がる空が崩れて落ちてきたら、それか山や海にくずれてくるとしても・・・」
この歌詞は聖書の影響があると思われます。またエディット・ピアフの「愛の賛歌」から盗んできたものでしょう。
「たとえ空が落ちて、大地が崩れても、怖くわないのよ、あなたがいれば」
両方とも終末論に根ざしているのかもしれません。終末になると天が割れて、義人だけが天国に召し上げられ、不信心者には地獄に落とされるということで、スタンド・バイ・ミーも愛の賛歌の「あなた」は神のことを言っているのでしょう。ハリウッド映画はユダヤ人が興したものであり、旧約新約聖書の影響をまぬがれないものです。旧約のカインとアベルと神の物語は、ハリウッド映画では父親への相克となります。父親を乗り越え、その後で和解に達するというドラマ仕立てになっているのです。反対に日本の映画「寅さん」では乗り越える父=厳しい神がいないので、絶えず通過儀礼に失敗し、成長はしないのですが、晩年の寅さんのように「幅のある」というか「渋みが」あるというか、近づきがたい神へのイメージではなく、おべべでも着させてあげたい、そこらに転がっているお地蔵さんという感じでしょうか。寅さんもセリフで「徐々に変わるんだよ。いっぺんに変わったら体に悪いじゃないかよ」
一神教はとかく世界に災いをもたらします。寅さんのようにぬるい方が平和に暮らせるような気がしています。