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川口松太郎 人生悔いばかり

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川口松太郎 人生悔いばかり


    この随筆集を読んでいてしきりに環境か素質かを考えさせられた。川口松太郎は養子で、母親の名前はわかっているのだが、父は杳としてわからない。赤ん坊の時に養育費としてカネを包んでいた奉書があって、そこには徳川の家紋が入っていたと記憶しています。島岡よねという女性が徳川家達の家の女中として働いていて、御手付きとなって落胤を産んだというという噂です。養父の川口竹次郎は左官屋で、貧乏暮らし、養母は菜食主義で、亭主が肉や魚を食わせろというと指で円を作ってもっと金を儲けろやという下げマンの女です。養父は49歳で亡くなっています。松太郎は小学校を出ると質屋に丁稚として雇われます。長く続かなく、古雑誌の露天商になります。親切な警察官によって警察署に雇員として働き出します。そこで電信を習い、学校に行き正式の通信使になります。通信使をやめると雑誌の記者となり、やがて戯曲が賞を取り作家になっていくのです。小学校出の川口が東大出の菊池寛、芥川龍之介などや慶応の三田閥の作家などと親しく交わります。果たして竹次郎の実子であったら、このような高みまで這い上がるでしょうか?相変わらず親の商売を引き続いて左官屋をやっているでしょう。素質とは自分にふさわしい環境を作るのだとわかります。たとえ不利な環境に置かれていても、才能と根気があれば才能が望む豊かな環境を作り出すことができるのです。環境が豊かであっても才能がなければその環境は宝の持ち腐れということです。

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