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読書

森永卓郎 騙されないための経済学


       まず、「騙されない」ために、心しておかないことは、資本主義とは「権力の側にいる者が、その他の無知な大衆から収奪する」ということを知っておかないといけません。だから森永の本を読んで、「経済の知識」を蓄え、権力者の「嘘を見破らなければならない」ということになります。

NHKが毎日株価をニュースしていますが、それはNHKのような高給取りの人たちには関係するかもしれませんが、われわれ大部分の「庶民」には株が「上がろうと下がろうと」関係ないと言っています。日経平均は大企業だけの株で、ギャンブルする金持には必要であるが、株を持っていない貧乏人が「一喜一憂」するのは「意味が無い」ということです。

この本の出版は2008年で、小泉首相時代で規制緩和が盛んに言われていた時代です。バブルがはじけ、それから浮揚できない状態が続いていた時代で、竹中某がアメリカの経済学を学んできて、グローバリズムを吹聴して、アメリカ式経済を遂行しようとしていました。森永によると、このグローバリズムも、「権力者やお金持が一般大衆から収奪するという資本主義をより強化する」というもので、非正規雇用が増えていきます。正社員でも残業代を払いたくないために、ホワイトカラー・エグゼンプションの法案もこの頃から通過させようとしています。アメリカ式経済とは金融中心の経済で、ギャンブルそのもので、森永に言わせると、水商売の国になるということです。いままでの製造業中心で「コツコツと働く」のがダサいということになります。

「いまのアメリカは金融と情報とエンターテイメントだけの水商売国家です。水商売の常として、お客が入っているときはいいものの、いったん信用を失い客足が遠のいたら再び盛り返すのは容易なことではありません。投機資金というお客が離れつつある今のアメリカは、まさに傾いた銀座のクラブような状態であります」

その傾きかけたクラブに日本は大枚をはたいてアメリカの公債を買っていることになります。そのうちキープしたボトルも、いつのまにかなくなっているかもしれません。

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