忍者ブログ

読書

水野聡 十牛図

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

水野聡 十牛図


       私は70近くになりますが、いまだ「尋牛」の第一段階だと思われます。十図の悟りの最高段階の「入鄽垂手」の、良寛が子供と無心に遊ぶ段階になれそうにもありません。玄侑宗久の解説によると、この「入鄽垂手」もここで完結するのではなく、悟りのスパイラルということで、なお高みに向かって精進することになるのだと言っています。ある面人間は死ぬまで悟りの完成とはならないのかもしれません。「入鄽垂手」の図の解説の「頌」は、「胸をあらわにし足をはだしにして鄽(居酒屋)には入り来る。土を抹し灰を塗って笑い腮(あご)に満つ。・・・」と書かれています。風采を構わない汚れた酔っ払いが真の覚醒者とは思いもつきませんが、しかめっ面をして専門家然とした人物よりは、もっと上を行く「達人」ということも往々にあることです。偉ぶらないから子供もよってきて、自然とその薫陶を受けるのでしょう。しかしこのような牧歌的風景は中世までのことです。今公園で「達人」の酔っ払いが子供に近づくと、ママたちに警察に通報されて、逮捕されるでしょう。いくら悟りを開いたものであると主張しても、留置場に放り投げられるか、酔い覚めに頭から水をぶっ掛けられるのがオチです。

PR

コメント

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

カテゴリー

P R